将来のあるべきSEO対策「SEOコンプライアンス」

大切なのは良識と想いやり

「コンプライアンス」と題しましたが大仰な話ではありません。今後のSEOライターにはより高い意識レベルが求められてくるだろうという著者の予想から「SEOコンプライアンス」という造語を作ってみたという話です。

口コミサイトとは異なり、SEOライティングの目的は、自分の書いた文章をできるだけ多くの人に見てもらい、読んでもらうことであるため、SEOライターはウェブ向けに文章を書く際には、「当たり前」のマナーと規則に従う必要があります。SEOライターが使用するすべての言葉は、ライター自身の評判だけでなく、クライアントの評判にも影響を与えることを認識しておく必要があります。

SEOライティングは、単純に「検索結果の上位にいれば」いいというものではないということです。まさに「SEOコンプライアンス」です。

「きれいごとを書くな!!」と批判されるかもしれません。しかし、WEB世界は、情報を発信する者が上記のことを考慮し、法律や社会通念に則って行動するという「善意の理論」に基づいています。このブログ記事では、Web制作やSEOライティングで最低限注意すべきポイントを取り上げて紹介しています。

表示義務

製品の宣伝をするために、Web制作やSEOライティングを依頼されることがあります。広告する商材や事業の種類によっては、法律に則した一定の情報を広告に記載しなければならない「表示義務事項」があります。

例えば、ECサイトを制作する場合、「特定商取引法に基づく表記」として、製品の価格、寸法、日付、時間、単位、連絡先などの情報を明示する必要があります。

上記の他にも、薬機法(旧薬事法)をはじめ、取り扱う製品や分野によって異なる表示義務事項があります。著者はライター歴が長い方です。しかしそれでもこの表示義務事項に悩むことがあります。このため、各分野に法律の専門家を準備し、「迷ったら聞く!」精神で、ララフ原稿等の段階からチェックをお願いするスキームをおすすめします。

「まとめて表記」の工夫

ただ、個別の商品やサービスの説明ページの全てに表示義務事項を列挙すると見た目に違和感が出て、デザイン性等を損なうなどの不具合が生じることがあります。このため、これら表示義務事項を「特定商取引法に基づく表記」という形でまとめ、会社概要の紹介ページに定型文的に記載するのが一般的です。

誇大広告はアウト

特定商取引法では、虚偽、誇張、誤解を招くような広告は「誇大広告」であるとして禁止されています。

商品の効果効能、仕様、品質、売買規約の条件、サポート、販売者情報などを説明する際に、「嘘」や「誇張」、「紛らわしさ」があってはなりません。

「あってはなりません」が、SEOライティングは、上記通りのルールを理解した上で「ギリギリ」のラインを狙い、検索順位でも表現性でも商品の魅力を最大限表現するのが目的です。専門性を磨き、クライアントの商品が他の類似商品に埋没してしまわないよう努めたいところです。

但し、商品説明をする際に「断定表現」を挿入すると、景品表示法等に抵触してしまうリスクがあるため、これは避けるべきです。特に不用意に「使ってしまいがち」な断定表現を以下に列挙します。

  • この商品は【万能】です。
  • ××するのは【間違いありません】。
  • 効果【絶大】です!
  • 【絶対】××します。
  • 【永遠】に××します。

これらの断定表現は、予備知識のない事業者が「悪意なく」使用する分には「グレーゾーン」なところもありますが、プロのSEOライターが使用してしまうと、一発でクライアントや将来のクライアント候補から信用を失ってしまうので細心に注意しておく必要があります。

利用条件等「契約条件」の明記

商法では、売主と買主の双方が合意した契約に基づいて双方に義務が発生します。後になって「お互いに」不愉快な思いをしないためにも、売主は飼い主に売買条件(もしくはサービス利用に際しての利用規約)を明記し、これを目立つように表示しておかなければなりません。

この部分に関し、「SEOライティングが仕事」と範囲を限ってクライアントとお付き合いしている分には、SEOライターにはあまり関係しない部分です。ただ、SEOライティングだけを受託するよりも、WEB制作とSEOを「まるっと」受託する方が当然に利益になります。将来の投資と思って、流し読みしていただければ幸いです。

取扱いが「有形商品」の場合、売主と買主の間でトラブルが生じることはレアケースです。一方、取扱いが「無形商品(サービス等)」の場合はトラブルが生じやすいため注意する必要があります。以下、サービス等を商品として提供する場合に、明記すべき利用規約の項目を列挙しておきます。

利用規約に明記すべき主要項目

  • 利用者資格(年齢制限など)
  • 情報セキュリティとプライバシーポリシー
  • 利用可能範囲
  • 財産権(著作権など)
  • 免責事項
  • 万一の損害に備えての補償内容
  • 準拠法と係争時の取り扱い(××裁判所など)

財産権に注意

本ブログ記事に関しても同じことが言えるのですが、ここで紹介している情報の全てに、必ずしも著者固有のオリジナリティがあるかというと残念ながらそうではありません。

いわゆる「まとめサイト」や「ニュースサイト」の大半にも同様の解釈が当てはまります。しかしこれらを単純に流用すると、著作権侵害になる可能性がないわけではありません。

但し、肖像権(容姿やその画像などに帰属される人権)、プライバシー権などは「侵害していることが明らかにわかる」ため、使用に際しては使用許諾を得る必要があります。「まとめサイト」「ニュースサイト」の内容を流用する際にも、情報の出所を参考・引用として記載しておくことが安全です。

失念しがちなのが、イラストレイターに依頼する絵柄や外注して作成するパンフレットなどの印刷物に対する著作権です。これらを目的外使用する際は、製作者に一定の著作権が発生する場合があります。外注時の契約事項に著作権の買い取りを明記していれば問題ありませんが、そうでない場合、或いは流用する際には、製作者に事前確認し、流用許可を得る必要があります。

その他法律に抵触しないための予備知識

以下のような表現は禁止されています。どんなに効果があっても絶対に使ってはいけません。

法律違反となる表現

  • 名誉毀損に類する表現
  • 犯罪推奨と誤解さ得る表現
  • わいせつ物に類する表現
  • 薬機法に抵触する表現(薬機法関係の表現は「非常にセンシティブ」で「難しい」内容のため、後日、別のブログ記事でレポートしようと思っています)

社会的倫理に要注意

本来は「法律」がより優先されるべきですが、最近は「倫理」に関連する不用意な発言・記載をする方が、より社会的ダメージが大きいので要注意です。炎上などの騒ぎでなく、それこそネット社会の匿名性と集団心理から「袋叩き」にされ、精神的にも風評的にも社会復帰できなくなってしまいます。非常にハイリスクであるため、確固たる信念がない限り、内輪以外でこのジャンルに関わるのは避けるが無難です。

SEOライターは「受け身」な仕事であるため、敢えて記事中で名前を明かさない限り、SEOライティング等を受託しても問題は生じないと思いますが、念には念を入れ、この手の案件は辞退されることを強くおすすめします。

そもそも私たちの社会には不文律がたくさんあります。「合法」「違法」に関係なく、社会的に受け入れられない行動をとることはリスクがありますし、著者もこれに対しては「いかがなものか」と思います。特に、悪態をついたり、軽率な言葉を使ったりする人は、周囲の人にも伝わってしまいます。

プライベートな会話の中できれいでない言葉を使うのは「楽しい」かもしれませんが、例えば、これは「特に」の話として、ネットのように情報拡散が生じやすい媒体で社会的に非倫理的な「暴力的内容」や「差別的内容」に類する発信をすることは、多くの人に不快感を与える可能性があり、避けるべきマナーです。

SEOライターのようにSEOライティングを身に着けている場合は、意図せず「ちょいちょい」と書いた文章が、検索で上位表示されより多くの人に認知されてしまうという潜在リスクを抱えています。得意におごることなかれ!発信力のある人を、社会は常にジャッジメントしています。

「SEOコンプライアンス」という言葉、流行りませんかね?流行れば良いなと思います。より住み心地の良いネット環境を生み出すために。

最後に

この記事は、当社の自動リライトツール「半自動リライト方法」を使って定期的にリライトしています。

また、当社では「難しいことを知らなくてもこの通りやればできる」をコンセプトに執筆したSEOライティングの指南書「SEOライティングの実学」を販売しています。