NKT細胞標的治療(免疫力向上!アンチエイジング!!がん免疫治療)

はじめに

⻄洋医学の本質が「対症療法」であるのに対し、東洋医学の本質は「原因療法(根治療法)」言われています。即ち、東洋医学では「免疫」を⾼めることによって病気の予防や根治を⽬指しています。

このような説明をすると、東洋医学的思想が⻄洋医学的思想に優っているという印象をもたれてしまうかもしれませんが、そうではありません。

実際は、科学的アプローチによって「再現性」を追求してきた⻄洋医学には、医師によって多少の⼒量差はあるものの、何れの医療機関においても同等レベルの施術を享受できるというメリットがあり、信頼性の⾼い医療として世の中に広く受け⼊れられています。

一方、施術者の⼒量に⼤きく依存してしまう東洋医学は、⼀部の名⼈による施術を除き、有意な治療効果は認められません。このため、今⽇では、医療というよりは「代替療法」として⼀般に認知されるに⾄っていいます。

医療の潮流

このような背景を知った上で昨今の先端医療を俯瞰してみると、感度の良い⼈は、とても興味深い潮流になっていることに気が付くと思います。⽣命科学が加速した結果、⻄洋医学における「薬」の考え⽅が⼤きな変化点を迎えているのです。

特に、2018年、免疫チェックポイント阻害薬「ニボルマブ(オブジーボ)」に関する研究成果が認められ、本庶佑先生がノーベル医学・⽣理学賞を受賞したことをきっかけに、がん「免疫」療法が広く認知されるようになっています。

オブジーボは「がんサポート(2016年3⽉号)」にても特集されています。

オブジーボのその作⽤メカニズムは、従来型のがん化学療法(抗がん剤)とは全く異なるものです。具体的には、がんに不応答となったNK細胞やT細胞(免疫細胞の⼀種)を活性化してがん細胞を攻撃させ、死滅させるというものです。効果が⾼く、副作⽤が⼩さい点も相まって⼤きな期待が寄せられています。

⼀般に知られている免疫細胞(「免疫」を司るリンパ系細胞)には、B細胞、T細胞、NK細胞の3種類があります。

がん免疫療法には、例えば、株式会社メディネット(東京大学医科学研究所のスピンアウトベンチャー)が医療法人社団滉志会「瀬田クリニック」グループとともに⾃由診療にて提供しているNK細胞療法(ANK療法)などがあります。

また、次世代の免疫療法として期待されているCAR-T(キムリア®:T細胞を遺伝⼦操作した後に増殖培養して得る細胞医薬品)が⽩⾎病特効薬として承認間近と⾔われています。

腸内フローラ(腸内の細菌バランス)という⾔葉もしばしば聞かれるようになってきています。腸内フローラを整えることが免疫力向上に寄与し、結果、⾝体を若々しく健やかに保つことになるため、がんをはじめ様々な老化現象に起因する病気に「かかりにくく」なると考えられています。

数年前まで、腸内フローラなどと⾔うと⼩⾺⿅にされたものですが、オブジーボによって「免疫」が 注⽬されはじめるずっと以前から、製薬メーカーなどでは腸内フローラに関する研究が精⼒的に⾏ってきているというのが実態です。

ここで改めて、東洋医学の思想を思い出してみたいと思います。「東洋医学が、免疫を⾼めることによって 病気の予防・根治を⽬指す原因療法である」ということ、をです。このことは、時代を経て⻄洋医学が思想⾯において東洋医学に追い付いてきたということを意味しています。

⻄洋医学と東洋医学の優劣を論じることは⾮⽣産的というものです。

意義深いことは、⻄洋医学が科学的アプローチにより、東洋医学の思想を具現化し、東洋医学の⽋点である医療の「再現性」を「意図せず」担保しようとしている点です。

これは、がん治療に限ったことではありません。

東洋医学的思想では「⽼化」の本質は「免疫力」の低下であるされています。逆に言えば、「免疫」を⾼めることによって、いわゆる「アンチエイジング」を追求できる可能性を⽰唆しているということです。

実際に、たくさんの富裕層や著名人が、エイジングケア⽬的で免疫療法の施術を受けています。

NKT細胞標的治療

NKT(ナチュラルキラー・ティー)細胞とは、1986年に⾕⼝克先生(当時は特定国⽴研究開発法⼈「理化学研究所」の客員主管研究員)らの研究グループにより発⾒された、B細胞、T細胞、NK細胞に続く第4のリンパ系細胞です。

その名の通り、T 細胞とNK 細胞の両⽅の機能を併せ持つ細胞で、さらにT細胞とNK細胞を活性化する機能がありま。現在、理化学研究所を中⼼に、新たながん治療の選択肢として臨床研究で⼤きな成果を出しつつありますが、残念ながら現時点でNKT細胞の社会的認知はあまり浸透していないようです。

ここで、理化学研究所を補足的に紹介します。

科学領域と医療領域における実質的な我が国トップの研究機関です。その権威性は国内外に広く認知されていて、「科学技術⽴国ニッポン」を⽀える存在でもあります。理研ヴィタミン(栄養失調特効薬)、アルマイト加⼯技術をはじめとする数々の重要テクノロジーを世に送り出しており、現在までにリコー株式会社や協和キリン株式会社をはじめとする理研発ベンチャーや、湯川秀樹先生、朝永振⼀郎先生、野依良治先生など多数のノーベル賞受賞経験者をその関係者として擁するに至っています。なお、理化学研究所の主任研究員クラスが、一般的な⼤学では教授クラスに相当します。

NKT細胞の話題に戻ります。

詳細は割愛しますが、理論的には全ての固形がん、転移がん、再発がんに対して効果が期待されるエビデンスレベルの高いのがん免疫療法である。また、免疫を司るリンパ系細胞をトータルに活性化することから、⽼化とも強く紐づくとも考えられます。

事実、首都圏のいくつかの医療機関では、理化学研究所の関連機関から技術的⽀援を受け、NKT細胞標的治療を国内外の患者様に自由診療にて提供することによって症例数を伸ばしています。症例には、がんをターゲットとするものだけでなく、エイジングケア⽬的も含まれていると推察しています。

NKT細胞標的治療の優れる点は、外科的療法(手術)や化学療法(抗がん剤)、放射線療法など既存のがん治療とも相性が良いことに加え、オブジーボやCAR-Tと⽐較して圧倒的に低コストである点です。NKT細胞標的治療の具体的な施術費用には触れませんが、オブジーボ(1クール約3500万円)やCAR-T(1クール約3500万円)と⽐較すると、その優位性は際⽴っています。

理化学研究所の臨床研究が進み、将来、NKT細胞標的治療が標準治療として承認されれば、我が国が抱えている医療費負担問題に⼀⽯を投じることができるでしょう。承認された場合でも、引き続き予防⽬的やエイジングケア⽬的でのNKT細胞標的治療は⾃由診療となりますが、他の代替療法 (正体不明の怪しいものを含む)や美容医療の施術費用を俯瞰して考えると、それでも費用感はリーズナブルなものです。

NKT細胞標的治療は、「科学⽴国ニッポン」の権威性の象徴である理化学研究所(及びその関連機関)が先頭に立って、普及に向けて強⼒に臨床研究を進めている状況で、感度の⾼い医療機関も積極的に取り込もうとしています。この潮流を背景に、将来、NKT細胞標的治療の社会的認知度は⼤いに⾼まり、患者様にとって主要な選択肢の1つになると予想します。

NKT細胞標的治療の施術フロー

※施術期間は、通常6週間(42⽇間)を1クールとします(CAR-Tは採血から投与まで約50日間です)。
※1クールで9ヵ⽉以上も免疫記憶が持続されるという臨床データがあります。
※患者様⾃⾝の細胞(自家細胞)を⽤いるため拒絶反応のリスクは極めて⼩さいとされています。
※症状の重さにもよりますが、施術期間中、患者様は⾃由に⾏動できます。

    ステップ1
    成分採⾎を行います。成分採⾎とは、特殊な採血装置を⽤いて特定の血液成分(この場合はリンパ球の一部)のみを採⾎し、採決後の⾚⾎球を体内に戻すことから、身体への負担が⼩さい採血方法とされています。
    ステップ2
    採血したリンパ球の一部を培養して細胞製品を作ります。
    ステップ3
    1週間から2週間の間隔を空けて、合計4回、細胞製品を患者様に⽪下投与します。