
「備えあれば憂いなし」はSEOライティングも同様
「何より書く!」という猪突猛進型の人は、優れたWEBライターにはなれません。これは当社の自動リライトツールを応用してSEOライティングにチャレンジする場合も同様です。
単純なWEBライティングであっても検索上位を狙うSEOライティングであっても、クライアントの意図を十分に確認し、自分の腹に落とし込んでから作業に取りかかることが大切です。
ターゲットに関する綿密な下調べも大切です。理解不足や勘違いの残る状態で書き始めても、決してクライアントが満足する高品質なWEBライティングを納品することはできませんし、最悪、作業効率が低すぎて納期に遅れてしまうこともあります。
「面倒くさい」と思うかもしれませんが、下準備の習慣さえ身につけば、同時に何本ものライティングを並行作業することもできるようになります。悪手が染みついてからでは改めるのに時間がかかるため、初心者の段階から正しい執筆スキームと良き習慣を身につけておきましょう。
下準備の項目例
- ターゲット層は?
- クライアントが意図するWEBサイトの雰囲気は?
- 納期は?(チームで仕事をする場合、他のメンバーとどう関わるか?)
- 構成は?
WEBサイトのコンセプトを確認する
クライアントが対象WEBサイトで何を達成しようとしているのかを正確に把握していないと、素晴らしい文章を作文してもコンテンツに合致せず不採用という事態になってしまうかもしれません。
例えば、ヴィンテージジーンズを履いて公式のパーティーに入ろうとしているようなシチュエーションです。ヴィンテージジーンズは、ほとんどのフォーマルウェアよりも高価です。しかし、この場合は残念ながら受付で断られてしまい、会場に入ることすらできません。
このような事態は、Webライティングの業界ではよくあることです。現に、自身が依頼主としてクラウドソーシングでSEOライティングを外注するときなどは、よほどしっかりとコミュニケーションを意識して望まない限り、このような結果は「想定内」と覚悟した方が良いでしょう。
WEBライターとしてこのような失態を演じないためにも、SEOライティングの依頼主として損をしないためにも、最低限、以下の4点については「コンセプト確認」と位置づけて、コミュニケーションを深めておきたいところです。
何を目的とするWEBサイトか?どのような効果を想定しているか?
企業サイトであれば、ブランドイメージをアピールしたり、売上を伸ばすことを目的とするでしょう。公的機関のホームページの場合は、市民の生活の質の向上に寄与したり、活動を推進したりすることを目的とするでしょう。
このように、WEBサイトは常に何かしらの目的をもって運営されます。
つまり、Webライティングの目指すところは、WEBサイトの目的を達成する、または達成に役立つコンテンツを作ることであり、SEOライティングとは、そのコンテンツの検索上位表示を実現するためのテクニックなのです。
明確な目標を持って取り組まなければ、仕事の方向性が曖昧になってしまうのは自明です。
そのため、WEBライターとして質の高いコンテンツを効果的に提供し続けるためには、WEBサイトの目的やクライアントがWEBサイトに何を期待しているのかを把握し、理解する必要があります。
一般的な企業WEBサイトの運営目的
- 情報発信
- アクセスアップ
- 情報伝播(他のWEBサイト、ブログ記事からの紹介)
- 問い合わせ数の増加
- ブランディング
- 業務の効率化
- 問い合わせ対応(問い合わせフォーム、AI問答)
WEBサイトのテーマとWEBライティングの視点を確認する
この部分がクラウドソーシングでSEOライティングを外注する際(あるいは受注する際)にミスコミュニケーションに陥りやすい点で、気をつけたい部分です。
ちょうどグレタさんのことを思い出したので、仮に脱炭素に関係する商品をPRするWEBライティングを例に挙げてみます。大抵の脱炭素商品は、環境に優しいという側面と、省エネ(コストカット)的な側面の2面性がありますが、通常のブランディング戦略では何れか一方にターゲットを絞り込みます。
ブランディング戦略を「環境に優しい脱炭素商品」としている依頼主に、省エネを押し出した作文を提出しても、これはコンテンツになりません。笑い事ではなく、本当にこういう問題が生じてしまうのです。
WEBライティングやSEOライティングを依頼するにしても引き受けるにしても、想定コンテンツのテーマと切り口を十分に下打ち合わせすることが大切です。
ターゲットの確認
通常、WEBライティングにしてもSEOライティングにしても、何らか訴求力を持たせた記事に仕立てます。スマートフォンを例にすると、楽々フォンをセールスするに若年層に訴求する記事を作文し、この記事がSEOで上位表示されたとしても、「楽々フォンを売る」という本来の目的を達成することはできません。
この例から分かりのように、ターゲットによってプレゼンテーションの内容や方向性(作文の内容や文章そのものの見せ方)は大きく変わってきます。このため、「近しい知人に例えるなら●●」と言えるくらいまで、ターゲットとする人の属性を明確にしておくことが大切です。
また、ターゲットは必ずしも1つのグループ枠とは限りません。特にECサイトの場合は、ECサイトとして大枠のコンセプトはありつつも、商品ごとにターゲット層が異なるというケースはよくあることです。このような場合、WEBライターには、ECサイト全体と個別商品との関係性を詳細に設計・構成することのできる高いライティングスキルが求められます。
WEBサイトの雰囲気を見極める
直接コミュニケーションの場合、ジェスチャーや即興のイラストなど、言葉以外のツールを使って、クライアントとWebライターが詳細なイメージを共有することができます。しかし、間接的コミュニケーションに頼るクラウドソーシングではそうはいかず、双方に高度なコミュニケーション能力が求められます。
一方、WEBサイトの雰囲気はその微妙な部分までも、訪問者がダウン評価するか、アップ評価するかの判断材料になります(ダウン評価の場合は、致命的な敗北の原因にも成り得ます)。クラウドソーシングを利用してWebライターとして仕事をする際には、クライアントからできるだけ多くの形容詞をもらってWebサイトの雰囲気を表現してもらうようにしたり、競合サイトやモデルサイトを提示してもらったりなどの工夫が必要です。
作業条件の確認
ナポレオンは、「一頭の羊に率いられた百頭の狼の群れは、一頭の狼に率いられた羊の群れに敗れる」と言ったそうです。WEB制作も同様で、自身の役割やノルマが明確になっていなければ、満足のいく結果を出すことはできません。クライアント(もしくはWEBディレクター)の指示だけに頼るのではなく、WEBライターも「曖昧さ」をなくすよう努めることが大切です。以下は、そうする上での5つのポイントです。
作業分担の確認
Webライティングは極端に言えば「制作物」を作ることであり、SEOライティングはこの「制作物」を読者(訪問者)にリーチさせるための技術です。このように、Webライティングの範囲は非常に広いので、どのような作業をするのか、どの程度の範囲を担当するのかを最初から明確に作業分担しておく必要があります。仕事を始めてから「抜け漏れ」が顕在化してしまうと、最悪の場合は計画性のない雑な仕事になってしまいます。
品質目標の設定
当社自動リライトツールを応用すると作文苦手も文章の高品質化は簡単です。しかし、本来、ライティングは非常に個別性の高い作業であり、正解もひとつではありません(SEOライティングに関してはもしかしたら正解があるのかもしれません)。
そのため、例えば複数のWebライターが一つのコンテンツを作ろうとした場合など、納品文章の品質目標が漠然としている場合、軸がうまく繋がらず、校正の段階に戻ってライティングし直す必要が出てくることがあります。
この責任は必ずしもWEBライターに帰するとは限らず、クライアントやWebディレクターに帰する場合もあります。こういう意味でも、Webライターが自分の文章品質を客観的に表現できると、スキルアップにもクライアントとのトラブル防止という意味でも好ましいと言えます。例えば、リライトの場合に、「Webサイト上の文章や原文との一致率が30%以下である」のような数値表現を文章品質とイコールに扱うようなイメージです。
書式を確認し作業チームに展開する
ライティングに際し、事前に基本的な書式を用意しておくのが一般的です。書式は、WEBライター同士が品質目標を共有する上でも役立ちます。このように書式を設定することは、WEBライターの表現の自由を制約することになりますが、一方で、作業そのものは非常に楽になります。このため、クライアントが特定の書式を指定してこない場合でも、例えば下記事項程度は事前に決めておくことをお勧めします。
- WEBライターが用いる書式の例
- 必須掲載事項(クライアントに依存)
- 要注意表現(クライアントに依存)
- 納品方法(クライアントに依存 ※SEOライティングの場合はHTMLソースが好ましい)
- 文字数
- 文体(ですます調など)
- デザイン(WEBサイト上でライティングした文章がどのように配置されるか)
工期と工数の確認
以前、工期・工数を決めずにプロジェクトを回している(回していると勘違いしている)WEBディレクターと関わる羽目になり、その時は大いに驚きましたが・・・そもそも、WEBライターの報酬体系は、文字数で決まるか、工期・工数の組み合わせで決まるかのどちらかです。趣味ではないので、ライティングに無限の時間と労力を割くことはできません。
先ず、クライアントやWebディレクターと事前にしっかりとした計画を立て、この計画に基づいて各WEBライターに割り当てられる工数・時間を決定します。このようにしてはじめて総費用や完成までのスケジュールが明確になるわけですし、WEBライター同士もお互いの役割を把握することができ、よりクオリティの高い仕事ができるようになります。
逆に言えば、一度決められた工期・工数は、各WEBライターがそれを厳守しなければなりません。そうでないと、他のWEBライターの仕事に波及してしまい、プロジェクト全体の進行が滞ってしまいます。
掲載内容の確認
実際のところ、コンセプトを十分に確認し、適切な作業条件を設定してさえいれば、クライアントの意向から逸脱するリスクはほとんどなく、WEBライターはかなり好きなように書くことができます。
しかし、WEBサイトの内容を訪問者に適切に説明するためには、ターゲット層や市場の動向などに関し、ある程度の知識が必要です。ただ漫然と書くのではなく、あなたが収集可能なすべての材料を分析し、書き始める前に具体的な内容を想定しておくことが大切です。
掲載内容の理解度とライティング品質の関係性
WEBライティングはWEB表現の一形態に過ぎませんが、一方で、クライアントの意思をWEB上で代弁する重要なコンテンツでもあります。当然、WEBライターは、自身がライティングする記事の内容を相当程度理解しておかなければ代弁などできないでしょう。このため、掲載内容に関連する情報は可能な限り収集し、理解しておく必要があります。
場合によっては、既存資料の収集だけでなく、最新でリアルな情報を収集する目的で取材の実施を検討します。掲載内容に対して理解を深める作業に手を抜くと、ライティングのクオリティが顕著に低下し、クライアントからの信頼を失うことになります。
ターゲット調査と競合調査
同ジャンルのWEBサイトや雑誌、パンフレットなどを調査し、担当するWEBサイトのターゲット層が好みそうな情報や、流行りの表現、言葉などをサーチし、自身のWEBライティングにこれらを取り込むことも大切です。芸術家ではないのです。著作権を侵害しない程度に「マネ」から入るのも一向にかまいません。
ターゲット調査と表裏一体的な作業が競合となるWEBサイトの調査です。同じターゲット層を狙っているのですから、「似てしまう」ことは仕方ありません。ただ、しっかり分析していくと競合にも、自身が担当しているWEBサイトにもそれぞれ何かしらのオリジナリティがあることに気が付くと思います。
競合と自身のそれ、そしてターゲット層の動向を比較分析し、担当するWEBサイトの強みと弱みを抽出します。
強みはSEOライティングでしっかりと伸ばしていき、弱みは(将来的に克服することを前提に)自動リライトツールなども活用しながら、ボリュームでカバーするのが常套でしょう。ここでも「マネ」は有効な戦術です。ただし、検索エンジンからコピペコンテンツと判定されないよう、類似率等の指標を参考にしながら、ボリュームアップしていきます。
最後にもうひと備え
最後に、もしかしたら「ここまで準備するの?」と思われたかもしれませんが、「ここまで準備する」のです。ただし、いきなり全てをこなせる強者はなかなかいません。内容にざっと目を通し、最低限「ここは確実に」と強調している内容にだけ気を付けて、自分自身のライティングコンセプトを作っていきましょう。自分の型ができてしまえば、あとはクライアントの好みに合わせて、少しずつ型を崩して対応していくイメージです。
WEBライターとしての活動に慣れてきたら、改めてこれらの項目を読み返し、自分の型をアップデートしてみてください。WEBライターの成長はこのサイクルの繰り返しです。うー、すべてをすっ飛ばしたいという場合は、当社の「半自動リライトツール」や「SEOライティングの実学」の購入をご検討ください。作業がぐっと楽になります!